メラニン生合成には、亜鉛も必要だった!

ad

2023-04-19 京都大学

メラニンは紫外線から肌を守る重要な物質です。一方で過剰なメラニンはシミの原因となるため、メラニン生成を抑制する成分は美白化粧品に使用されています。メラニンの生合成にはチロシナーゼと呼ばれる酵素群が機能することが知られており、チロシナーゼの活性化には銅が重要であることが知られていました。

神戸大朋 生命科学研究科准教授、我妻拓実 同博士課程学生、木下政人 農学研究科准教授、安藤秀哉 岡山理科大学教授、橋本寿史 名古屋大学講師、Michael J. Petris ミズーリ大学教授らの研究チームは、メダカと培養細胞を用いて、メラニン生合成には銅のみならず亜鉛が重要な役割を果たすことを世界で初めて明らかにしました。これは、70年以上前より銅のみが重要であると信じられてきたメラニンの生合成に、他の金属も必要であることを明確に示した成果になります。

本研究成果は、2023年4月18日に、国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください

研究者のコメント
「TYRとTYRP1は70%以上のアミノ酸配列が一致しており、金属が結合すると予想されるアミノ酸残基も全く同じですが、TYRは銅酵素として、TYRP1は亜鉛酵素として機能することがわかりました。このように見た目がそっくりなタンパク質が銅と亜鉛という全く異なる金属をどのように識別しているのでしょうか。生体内で機能するタンパク質の30%には金属が結合していますが、それぞれのタンパク質が、どのようにして正しい金属を探し当て、結合するのかについては、ほとんど明らかにされていません。今後の解析では、メラニン生合成に関わる新たな知見を明らかにするとともに、銅と亜鉛にとどまらず、生体と様々な金属の巧妙な関係性を明らかにしていきたいと考えています。」

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:神戸 大朋
研究者名:木下 政人

ad

有機化学・薬学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました