発症早期にナファモスタット投与で新型コロナウイルス患者のウイルス量が減少~ナファモスタットメシル酸塩の探索的研究の結果より~

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2023-07-11 東京大学

東京大学医学部附属病院の森屋恭爾教授(研究当時)、瀬戸泰之教授、奥川周准教授、東京大学国際高等研究所新世代感染症センターの井上純一郎特任教授らは、国内で抗凝固薬や膵炎の治療薬として広く用いられているナファモスタットメシル酸塩(以下ナファモスタット)が、発症早期の新型コロナウイルス感染症患者のSARS-CoV-2ウイルス量を減少させる効果を示すことを世界で初めて確認しました。ナファモスタットは、すでに承認されている抗ウイルス薬とは異なる作用を有しており、新型コロナウイルスが細胞内に侵入する際に利用するタンパク質分解酵素の活性を阻害することで抗ウイルス作用を発揮することが報告されています。

今回の研究成果から、ナファモスタットを発症早期の新型コロナウイルス患者に投与することで重症化の阻止や臨床症状の改善が期待され、ナファモスタットが新型コロナウイルス感染症の新たな抗ウイルス薬になる可能性が示唆されました。今後は、より安全な投与方法の開発とともに、より多くの症例数でのナファモスタット単剤および他剤との併用治療の臨床的有効性を検討することが必要です。

本研究成果は、日本時間7月8日に学術誌「International Journal of Antimicrobial Agents」に掲載されました。

※詳細は添付ファイルをご覧下さい。

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有機化学・薬学
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