光スイッチ型蛍光タンパク質の反応を可視化~高速分子動画解析により光スイッチの仕組みを明らかに~

ad

2023-07-21 東北大学

多元物質科学研究所 教授 南後恵理子

【発表のポイント】

  • サブピコ秒(注1)(1ピコ秒は1兆分の1秒)という極めて短時間で起こる蛍光タンパク質の動きの可視化に成功しました。
  • 蛍光タンパク質の光受容部がねじれながら構造変化する仕組みを解明しました。
  • 蛍光タンパク質を利用した超解像顕微鏡による観察技術の促進につながることが期待されます。

【概要】
光スイッチ型蛍光タンパク質は、特定の光が当たると蛍光のオンオフが切り替わる蛍光タンパク質です。蛍光タンパク質には、光を受容する発色団と呼ばれる構造があり、蛍光のオンオフの切り替えは発色団の構造変化と連動して起こります。しかし、発色団は光が当たると即座に構造が変わるため、動きを捉えることが困難であり、スイッチング機構の詳細も不明でした。

東北大学多元物質科学研究所の南後恵理子教授(理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー)、藤原孝彰助教、インペリアル・カレッジ・ロンドンのJasper J. van Thor教授らの研究グループは、300フェムト秒(1フェムト秒は1,000兆分の1秒)からマイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)という極めて短い時間における光スイッチ型蛍光タンパク質rsEGFP2の原子の動きを観察することに成功し、発色団の分子構造がねじれながら変化することを見出しました。

本研究成果は、2023年7月7日(現地時間)公開の米国化学会誌Journal of the American Chemical Societyにオンライン掲載されました。

図1. (a)発色団の構造変化の模式図、(b)置換基を導入した発色団の構造変化

【用語解説】
注1.サブピコ秒:1兆分の1秒よりも短い時間。

item20230721_02_subpico2.png

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
教授 南後 恵理子(なんご えりこ)

(報道に関すること)
東北大学多元物質科学研究所 広報情報室

ad

有機化学・薬学
ad
ad
Follow
ad
タイトルとURLをコピーしました