B型肝炎の完治が見込まれる新たな抗ウイルス薬の候補を発見~新規の化合物iCDM-34がウイルスゲノムの合成を抑制~

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2023-12-22 京都大学

掛谷秀昭 薬学研究科教授は、古谷裕 東京慈恵会医科大学講師、永森收志 同教授、松浦知和 同客員教授、平野秀典 慶應義塾大学特任准教授、堂前直 理化学研究所ユニットリーダー、白水美香子 同チームリーダー、鈴木治和 同チームリーダー、小林カオル 明治薬科大学教授らとの共同研究により、B型肝炎の完治が見込まれる新たな抗ウイルス薬の候補、iCDM-34を発見しました。

現在利用されているB型肝炎に対する核酸アナログ製剤はウイルスの増殖を抑える効果がありますが、ウイルスゲノムが残るため完治に至りません。今回の研究でiCDM-34がAh受容体(aryl hydrocarbon receptor,芳香族炭化水素受容体)を活性化し、従来と異なる仕組みでウイルスゲノムの合成を抑制することを見出しました。このことにより、核酸アナログ製剤との併用で、B型肝炎の完治が見込まれる新規の抗ウイルス薬候補となることが判明しました。さらに、iCDM-34はHIVや新型コロナウイルスなど様々なウイルスに対する抑制剤としての開発が可能です。

本研究成果は、2023年12月22日に、国際学術誌「Cell Death & Discovery」にオンライン掲載されました。

文章を入れてください遺伝子発現の網羅的解析データを用いた上流因子の解析。HBV感染初代培養ヒト肝細胞を30 μM iCDM-34で7日間処理し、mRNAの発現をマイクロアレイにより網羅的に解析した。mRNA発現データを用いてパスウェイ解析により上流因子を予測したところAh受容体(AHR)の下流因子の発現が誘導されており、iCDM-34はAh受容体アゴニストと予想された。

詳しい研究内容について

B型肝炎の完治が見込まれる新たな抗ウイルス薬の候補を発見―新規の化合物iCDM-34がウイルスゲノムの合成を抑制―

研究者情報

研究者名:掛谷 秀昭

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有機化学・薬学
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