染色体上で2本鎖DNA切断を修復する仕組みを解明 ~DNAの2本鎖切断が原因となる発がんの抑制機構解明へ~

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2024-03-21 東京大学,科学技術振興機構

ポイント
  • 放射線などによって切断された2本鎖DNAの修復に中心的な役割を担うたんぱく質RAD51が、染色体上で2本鎖DNA切断を検知して修復を開始する様子を明らかにしました。
  • RAD51の染色体への結合には、がん患者において変異が多数報告されているRAD51のアミノ末端領域が重要であることを発見しました。
  • 本研究は、RAD51の機能不全を原因とするがん発症メカニズムの解明に貢献することが期待されます。

東京大学 大学院理学系研究科 大学院生の塩井 琢郎、同大学 定量生命科学研究所 クロマチン構造機能研究分野 教授の胡桃坂 仁志らの研究グループは、DNA修復たんぱく質RAD51がクロマチン中でDNAの2本鎖切断を見つけ出し、DNA修復を進行するメカニズムを明らかにしました。

本研究成果は、2024年3月20日(英国時間)に「Nature」に掲載されます。

本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科研費「クライオ電子顕微鏡によるネイティブなセントロメアクロマチンの立体構造解析(代表:滝沢 由政、JP22K06098)」、「p300によるヒストンアセチル化伝搬機構の構造生物学的解析(代表:畠澤 卓、JP23K14134)」、「クロマチンにおけるDNA修復機構の構造基盤の解明(代表:胡桃坂 仁志、JP23H05475)」と、日本医療研究開発機構(AMED)の生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)「エピジェネティクスの基盤原理解明と創薬のためのヒストンおよび再構成クロマチンの生産(代表:胡桃坂 仁志、JP23ama121009)」、および科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(ERATO)「胡桃坂クロマチンアトラスプロジェクト(研究総括:胡桃坂 仁志、JPMJER1901)」の支援により実施されました。

<プレスリリース資料>
<論文タイトル>
“Cryo-EM structures of RAD51 assembled on nucleosomes containing a DSB site”
DOI:10.1038/s41586-024-07196-4
<お問い合わせ先>

<研究に関すること>
胡桃坂 仁志(クルミザカ ヒトシ)
東京大学 定量生命科学研究所 教授

<JST事業に関すること>
今林 文枝(イマバヤシ フミエ)
科学技術振興機構 研究プロジェクト推進部 ICT/ライフイノベーショングループ

<報道担当>
東京大学 定量生命科学研究所 総務チーム
科学技術振興機構 広報課

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細胞遺伝子工学
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