心臓外科手術における効果的な輸血戦略を検証~コロナ禍の献血不足対策として~

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2021-03-16 京都大学

今中雄一 医学研究科教授、國澤進 同准教授、奥野琢也 同博士課程学生らの研究グループは、日本の行政データベースを用いて、2016~2019年に心臓血管外科手術を受けた患者の輸血使用率および輸血使用量を、希釈式自己血輸血を受けた患者(希釈式自己血輸血患者群)と受けていない患者(コホート群)で比較しました。その結果、希釈式自己血輸血患者群では、輸血使用率は38.4%(コホート群:60.6%,p<0.001)、輸血使用量は3.5単位(コホート群:5.9単位,p<0.001)と減少効果を認められることがわかりました。

心臓外科手術は手術の中で最も輸血を行います。輸血のストックには限りがあり副作用も生じるため、欧米では全身麻酔がかかった後に自己血を採取する(希釈式自己血輸血)方法により、輸血の節約を工夫しています。日本で保険適応になったのは2016年と最近ですが、あまり浸透しておらず、日本人での効果が不透明でした。
新型コロナウイルスの影響から献血の減少が問題になっているなか、効率的な輸血の方法を検討する必要があります。輸血が必要な患者さんのもとへ迅速かつ確実に届けるためにも、希釈式自己血輸血は重要な技術だと考えられます。

本研究成果は、2020年3月10日に、国際学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。

本研究のイメージ図
図:本研究のイメージ図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:今中雄一
研究者名:國澤進

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