Shagene AおよびBの化学合成~リーシュマニア症の治療薬リードの創製を目指して~

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2021-09-10 京都大学

WHOにより「顧みられない熱帯病」に分類されているリーシュマニア症は、熱帯・亜熱帯の途上国を中心に100ヶ国近くで蔓延しており、現在約1200万人が感染しています。この疾病の治療のために、より効果が強く副作用のない治療薬を探索する過程で、南米大陸と南極大陸の間に海に生息する軟サンゴからshagene Aという天然有機化合物が単離されました。しかし、本化合物は極微量しか得られない上に、現在はサンプルを使い切ってしまったためにこれ以上の研究ができませんでした。

塚野千尋 農学研究科准教授、竹本佳司 薬学研究科教授らの研究グループは、不安定な骨格の新規構築法を確立することで、shagene Aの完全化学合成に成功しました。本研究をさらに発展させれば、化合物の構造最適化が自在にできるようになり、リーシュマニア症に効果のある化合物の創出へつながることが期待されます。

本研究成果は、2021年8月23日に、国際学術誌「Angewandte Chemie International Edition」のオンライン版に掲載されました。

Shagene類の化学合成。Shagene類はサンゴからのみ得られる希少な有用生物活性天然物でしたが、本合成研究で、自在に分子構造を制御して、我々は手にすることができるようになりました。
図:Shagene類の化学合成。

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:塚野千尋
研究者名:竹本佳司

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有機化学・薬学
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