研究チームの多様性が免疫アレルギー領域の研究成果に与える影響を解明 ~ 新しい多様性指標 o-index を用いたアレルギー領域での世界初の研究結果~

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2024-12-18 京都府立医科大学

研究チームの多様性が免疫アレルギー領域の研究成果に与える影響を解明 ~ 新しい多様性指標 o-index を用いたアレルギー領域での世界初の研究結果~

本研究成果のポイント
  • 世界的に増加傾向にあるアレルギー疾患は、複数の臓器にまたがった症状が、患者ライフステージに応じて変遷することから、多様なアプローチが必要とされます。しかし、アレルギー・免疫学分野の研究チームの多様性が、研究成果にどのように影響するかは十分に理解されておらず、その効果を明確にすることが課題となっていました。
  • 本研究は、NIH、MRC、JSPSの資金を受けたアレルギー領域の研究チームを対象に、分野研究成果と分野横断的な多様性および専門性との関係を初めて解明しました。
  • 今後、各研究分野や資金提供の目的に応じた最適なチーム構成の設計が期待されます。
研究概要

京都府立医科大学大学院医学研究科 医療フロンティア展開学 特任講師 足立剛也、ライデン大学コンピューターサイエンス学部 修士課程 成松紀佳、国立成育医療研究センター 免疫アレルギー・感染研究部 アレルギー研究室 室長 森田英明、自然科学研究機構 特任教授 小泉 周らの研究グループは、アレルギーおよび免疫学分野における研究チームの多様性が科学的成果に及ぼす影響を明らかにし、本件に関する論文が科学雑誌『World Allergy Organization Journal』に2024年12月13日付けで掲載されました。

本研究は、日本の科学研究費補助金(JSPS)、米国国立衛生研究所(NIH)、および英国医療研究評議会(MRC)の資金を受けたチームを対象に、チーム構成の多様性と研究成果の関係を調査しました。各機関での研究成果とチームの多様性との関連を、今回新たに開発した多様性指標であるo-index (omnidisciplinary-index)を用いて多元的に解析した結果、NIHやMRCでは分野横断的な多様性が成果向上に関連している一方、JSPSでは専門性の高いチームがより高い成果を上げる傾向が見られました。本研究成果をもとに、今後は各研究領域や資金提供の目的に応じた最適なチーム構成の設計が期待されます。

論文情報

雑誌名 World Allergy Organization Journal

オンライン閲覧 可 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1939455124001364
掲載日 2024年12月13日(日本時間)
論文タイトル(英・日)
Research team diversity impacts scientific output in allergy and immunology programs
(日本語:免疫アレルギー領域における研究チームの多様性が科学的成果に与える影響)

代表著者
京都府立医科大学大学院医学研究科 医療フロンティア展開学/慶應義塾大学医学部皮膚科学教室/慶應アレルギーセンター 足立剛也
ライデン大学コンピューターサイエンス学部 成松紀佳
国立成育医療研究センター 免疫アレルギー・感染研究部 アレルギー研究室 /アレルギーセンター 森田英明
自然科学研究機構 小泉 周

共同著者
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室、慶應義塾大学病院アレルギーセンター、京都府立医科大学大学院医療フロンティア展開学 足立剛也
ライデン大学コンピューターサイエンス学部 成松紀佳
名古屋大学医学部附属病院先端医療開発部 小川 靖
慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート 鳥谷真佐子
東京通信大学人間福祉学部 福士珠美
東京科学大学リベラルアーツ研究教育院 調麻佐志
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、国立病院機構名古屋医療センター小児科 二村昌樹
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、順天堂大学大学院医学研究科眼科学講座、順天堂大学大学院医学研究科病院管理学講座、順天堂大学AIインキュベーションファーム 猪俣武範
国立病院機構三重病院、貝沼内科小児科 貝沼圭吾
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、東京女子医科大学 呼吸器内科 神尾敬子
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、千葉大学国際高等研究基幹/大学院医学研究院イノベーション医学 倉島洋介
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、慶應義塾大学医学部内科学教室 (呼吸器)、慶應義塾大学病院アレルギーセンター 正木克宜
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、京都大学大学院医学研究科・炎症性皮膚疾患創薬講座 中島沙恵子
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、福井大学医学部附属病院福井アレルギー疾患対策センター、福井大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉科・頭頸外科学、福井大学医学部附属病院医学研究支援センター 坂下雅文
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、
国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部 佐藤さくら
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 分子遺伝学研究部 玉利真由美
免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)、国立成育医療研究センター 免疫アレルギー・感染研究部 アレルギー研究室/アレルギーセンター 森田英明
自然科学研究機構 小泉 周

プレスリリース資料はこちら

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