拡張現実(AR)技術による認知症ケアコミュニケーション訓練の有効性を実証

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2023-07-11 岡山大学,科学技術振興機構

◆発表のポイント

  • アイコンタクトなどのコミュニケーションスキルは認知症の人のケアに有効です。
  • 拡張現実(AR)技術により認知症ケアコミュニケーションスキルを学べるシステムを開発、有効性を確認しました。
  • 提案システムにより訓練者の物理的スキルとともに内面(患者への共感性)も変化することがわかりました。

(概要説明)
岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域 中澤 篤志教授らの研究グループは、拡張現実技術(Augmented Reality(AR))を用いた認知症ケアコミュニケーション訓練の有効性を実証しました。38名の看護学生に対して、従来の模擬患者人形を用いた訓練と、拡張現実を組み合わせた訓練をランダムに割り当て、前後を比較しました。その結果、拡張現実により訓練を受けた学生群のほうが、アイコンタクトをより多く行えるようになるとともに、患者への共感性の向上度も高くなることがわかりました。この研究により、拡張現実のコミュニケーション訓練の有効性が示されたとともに、医療・介護専門職だけではなく、家族介護者の人たちにも優しい認知症ケア技術を学べるようになります。
本研究成果は、2023年7月10日に科学雑誌「PLos ONE」に掲載されます。


図1 システムの構成図


図2 実験の流れ


図3 訓練前後でのアイコンタクト頻度


図4 訓練前後での共感度

◆研究者からひとこと
ARによりコミュニケーション技術を学ぶのは、看護学生さんなど若い人に特に好意的に受け入れられており、楽しみながら学んでいただいています。このシステムは岡山大学をはじめ様々な大学で利用され始めています。
中澤篤志教授

■論文情報
論 文 名:Augmented reality-based affective training for improving care communication skill and empathy
掲 載 紙:PLoS One
著者:Atsushi Nakazawa, Miyuki Iwamoto, Ryo Kurazume, Masato Nunoi, Masaki Kobayashi, Miwako Honda
D O I:10.1371/journal.pone.0288175
U R L:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0288175

■研究資金
本研究は、科学技術振興機構CRESTの支援を受けて実施しました(研究領域『人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開』、研究課題『「優しい介護」インタラクションの計算的・脳科学的解明(JPMJCR17A5)』)。

<詳しい研究内容について>
拡張現実(AR)技術による認知症ケアコミュニケーション訓練の有効性を実証

<お問い合わせ>
岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域
教授 中澤 篤志

<JST事業に関すること>
科学技術振興機構 戦略研究推進部ICTグループ
前田 さち子

<報道担当>
岡山大学 広報課
科学技術振興機構 広報課

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