2026-11-04 ロート製薬株式会社
ロート製薬と北海道大学の共同研究グループは、点眼剤に使用されるコンドロイチン硫酸エステルナトリウム(CS)が、目の表面を保護する「グリコカリックスバリア」の維持に関与する新たな仕組みを明らかにした。眼表面のバリアは、膜型ムチン16(MUC16)とガレクチン-3(Gal-3)などの分子間相互作用によって形成・維持され、涙液の安定性や外部刺激からの保護に重要な役割を果たす。研究では、MUC16由来ペプチドを用いたマイクロアレイ実験により、CSがGal-3を介してMUC16由来ペプチドと結合することを確認した。一方、同じ多糖類で点眼剤に広く使用されるヒアルロン酸ナトリウムでは、この結合は認められなかった。この結果から、CSには従来知られていた保水・潤滑作用に加え、眼表面の分子ネットワークを支えて保護バリアの維持に寄与する可能性が示された。ドライアイの症状改善や新たなアイケア製品の開発につながることが期待されるが、今回の結果はペプチドを用いた実験によるもので、実際の眼表面や患者での効果は今後の検証が必要である。

図1:目の表面のグリコカリックスバリアに関わるCSの新たな相互作用(模式図)
※本図はMUC16由来ペプチド類を用いた実験結果に基づく模式図です。実際の目の表面でのバリア回復を確認したものではありません。
<関連情報>


