ES細胞分化過程において継時的に分布変化するヒストン修飾を同定

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ヒト幹細胞が分化する時、核では何が起こっているのか

2021-01-06 京都大学

Georgia Kafer 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)研究員(現・オーストラリア・The Children’s Medical Research Institute Research Officer)、田中良尚 同技術補佐員(現・薬学研究科博士課程)、Regina Rillo 同研究員(現・University of California Davis 博士研究員)、Peter Carlton 同連携主任研究者(生命科学研究科准教授)らの研究グループは、高解像度顕微鏡と独自に開発した画像解析プログラムを用いることにより、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)が分化する過程で継時的に分布が変化するヒストン修飾を新たに同定しました。

ES細胞はあらゆる細胞に分化する能力を有しており、この多能性を利用して様々な種類の細胞へ人工的に分化誘導させることができます。そしてこの分化過程において、DNAとヒストンと呼ばれるタンパク質の集合体であるクロマチンの構造が、細胞核内で劇的に変化することで、特定の細胞分化に必要な遺伝子発現を制御しています。したがって、クロマチン構造はES細胞の分化過程を理解する上で極めて重要な要素でありますが、クロマチン構造レベルでのそれらの包括的なメカニズム解明にはまだ至っていません。本研究は、そのクロマチン立体構造を制御する因子の1つであるヒストンの修飾変化に着目し、ヒストンH2のタンパク質バリアントであるH2A.Zのアセチル化(H2AZ.ac)と、ヒストンH3タンパク質の9番目リシンのジメチル化(H3K9me2)の分布が、ES細胞分化の進行に伴って細胞核膜周辺領域において協調的に変化することを発見しました。本成果は、ES細胞分化における細胞核内でのクロマチン構造変化と遺伝子発現制御の関係性を理解する上で重要な知見であり、今後、クロマチン構造に基づいた具体的な遺伝子発現メカニズムの解明が期待されます。

本研究成果は、2020年11月16日に、国際学術誌「Journal of Cell Science」にオンライン掲載されました。


図:本研究の概要図

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研究者情報
研究者名:Peter Carlton

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