創始者社会性仮説は、動物が新しいニッチに進出する際の長期的な社会変化を説明する

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2021-10-29 京都大学

James Brooks 野生動物研究センター博士課程学生、山本真也 高等研究院准教授らの研究グループは、動物集団から分かれた少数個体が未開拓の生息地に進出することによって社会性に大きな変化がみられ、そのことが社会行動の進化に重要な影響を与えるという仮説を提唱しています。これを「創始者社会性仮説」と呼んでいます。

進化生物学者によく知られている創始者効果は、小さな創始者集団に生じる可能性のあるランダムな遺伝的偏りを強調するものですが、新しい仮説は、新しい生息地での個体群の確立に伴う社会的変化に焦点を当てています。集団が新しい生息地に進出する際、最初は資源が豊富で、明確な縄張りや確立された集団がない場合、見知らぬ個体と出会い、争うことなく新しい資源を利用することに長けた個体が最も成功すると考えられます。このようにして初期の社会動態が変化した結果、次の世代は新しい生息地の環境や生態に適応するだけでなく、この新しい社会動態に適合する能力を持つようになります。時間が経つにつれ、元集団と新しい創始者集団の間に大きな社会的差異が生じる可能性があります。

本研究成果は、2021年10月16日に、国際学術誌「Ecology and Evolution」に掲載されました。

創始期社会性仮説の概要図図:創始期社会性仮説の概要図

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:James Brooks
研究者名:山本真也

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生物環境工学
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