2024-07-17 東京大学
東京大学医学部附属病院 小児科 設楽佳彦助教、小児外科 渡辺栄一郎医師(群馬県立小児医療センター 一般外科 部長)、かずさDNA研究所 応用プロテオミクスグループ 川島祐介グループ長、紺野亮特任研究員、千葉大学国際高等研究基幹 吉原正仁准教授らの研究グループは、早産児を含めた新生児が排出する初回胎便に含まれるタンパク質組成を明らかにしました。
これまで、新生児の胎便に含まれるタンパク質組成は知られていませんでしたが、本研究グループの渡辺・川島が独自に構築した便のプロテオーム解析から、初回排泄された胎便中には、少なくとも5,370種類のヒト由来となるタンパク質の一部または全体が含まれていることを世界で初めて確認しました。
胎便中のタンパク質組成においては、性別、在胎週数、先天性の消化管疾患などの先天性疾患の有無、母体状況による違いを認めました。さらに、胎便タンパク質から在胎週数を予測するモデルを構築し解析した結果から、先天性の消化管疾患や心疾患のある新生児は、消化管が未熟であるという可能性が考えられました。本研究で見出された侵襲なく採取できる胎便を用いる方法は、新生児に負担なく新生児の消化管の状態を評価できる新しい手法になることが期待されます。
なお、本研究成果は2024年7月17日(日本時間)、英国科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。
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