移植細胞を異物反応から守るには、太めのファイバーで包むのが効果的

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膵島細胞移植による糖尿病マウスの血糖値正常化と移植片の回収に成功

2020-06-17 東京大学

○発表者:
竹内 昌治(東京大学 生産技術研究所 教授/大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授)
興津 輝  (東京大学 生産技術研究所 特任教授)
渡邉 貴一(東京大学 生産技術研究所 特任研究員(研究当時))

○発表のポイント:
◆直径が1ミリメートル以上のハイドロゲルファイバーは、マイクロサイズのファイバーに比べて、生体内で異物と認識されにくいことを発見しました。
◆このファイバーの中心部に、血糖に応じてインスリンを分泌するラットの膵島細胞群を詰め、糖尿病マウスに移植したところ、血糖値が100日以上正常化し、さらにファイバーを移植細胞ごと回収することに成功しました。
◆神経細胞や肝細胞、iPS細胞から作った細胞などを移植する保護材料として、さまざまな病気の治療への応用が期待されます。

○概要:
東京大学 生産技術研究所/大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻の竹内 昌治 教授、生産技術研究所の興津 輝 特任教授、渡邉 貴一 特任研究員(研究当時)らの研究グループは、直径の異なるハイドロゲルファイバー(注1)をマウスの腹腔に移植し、ファイバーの直径が生体内の異物反応(注2)に及ぼす影響を調べました。その結果、直径がミリメートルスケールのファイバーはマイクロメートルスケールのファイバーと比べて、異物として認識されにくいことを発見しました。
次に、マイクロ流体デバイス(注3)を用いて、直径が1ミリメートルのハイドロゲルファイバーの中心部にラットの膵島(注4)を詰め、糖尿病マウスに移植したところ、血糖値を100日以上正常化することに成功しました。さらに、体内に分散せずファイバーとしてひと塊に保たれるため、ファイバーごと移植された膵島をまとめて取り出すことにも成功しました。加えて、このハイドロゲルファイバーを大型動物であるミニブタへ移植したり、取り出したりする場合、腹腔鏡を用いた低侵襲な移植方法も適用できることがわかりました。
ハイドロゲルファイバーは異物反応を起こしにくく、緊急時に取り出しも可能であることから、今後は膵島だけでなく、神経細胞や肝細胞、iPS細胞から作った細胞などを移植する保護材料として、さまざまな病気の治療に貢献することが期待されます。この研究は、東京大学と明治大学の共同で行いました。
本成果は、国際学術誌「Biomaterials」のオンライン版で公開されます(最終版は英国夏時間2020年7月15日(水)公開予定)。

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