食用藍藻スピルリナの完全長ゲノム塩基配列~光合成による有用物質生産の基盤~

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2023-01-20 京都大学

白石英秋 生命科学研究科准教授、西田晴香 同修士課程学生らの研究グループは、食用の微細藻スピルリナの純系品種(NIES-39株)について、完全なゲノム塩基配列を解読しました。スピルリナは産業的に有用なため、以前からゲノムの塩基配列の解読が試みられてきました。特に、スピルリナNIES-39株は10年以上前にゲノムの塩基配列の概要が明らかにされ、この生物のモデル株として利用されています。しかし、これまでにわかっていたゲノム塩基配列は、解読できていない領域が塩基配列中に散在している不完全なものでした。今回、高品質なゲノムDNAを単離して、長大な塩基配列の読み取りに適した塩基配列解読装置で塩基配列を読み取ることにより、完全な塩基配列を解読することに成功しました。このゲノム塩基配列の情報は、この有用な微細藻の品種改良を行う際の基盤となるものです。今後、誰もがこの完全なゲノム塩基配列の情報を利用できるようになったので、この微細藻を利用した研究開発が加速されるものと期待されます。

本研究成果は、2022年12月20日に、学術誌「Microbiology Resource Announcements」にオンライン掲載されました。

食用藍藻スピルリナの完全長ゲノム塩基配列~光合成による有用物質生産の基盤~

研究者のコメント

「スピルリナは食用の微細藻で、培養や収穫が簡単にできることから食品や食品添加物の原料として世界中で利用されています。また、空気中の二酸化炭素を利用して有用な物質を生産するための基盤となりうる微生物としても注目されています。この生物の研究を進めることは、将来必ず人類の役に立ちます。それに貢献したいと考えて、研究を進めています。」(白石英秋)

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:白石 英秋

細胞遺伝子工学
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