2026-08-31 東北大学
東北大学の研究グループは、心房細動に伴う左室収縮能低下患者について、カテーテルアブレーション後に心機能が改善するかを予測できる血液バイオマーカー候補として、LTBP4を同定した。研究では高スループットプロテオミクス技術「SomaScan®」を用いて4,572種類の血中タンパク質を網羅的に解析し、LTBP4とCHST15が治療後の心機能改善と関連することを発見した。検証コホートでは、アブレーション後に心機能が改善した患者群で治療前のLTBP4値が有意に高く、ROC解析でもLTBP4による改善例の識別能が示された。LTBP4はTGF-βの働きを調節し、細胞外基質形成や心筋の線維化・リモデリングに関係するタンパク質である。本成果は、治療前の血中タンパク質情報から治療効果を予測し、患者ごとに治療方針を選択する個別化医療につながる可能性を示す。

図1.心房細動に左室収縮能低下を合併した患者でのLTBP4とCSHT15の上昇 SomaScan®を用いて4,572種類の血中タンパク質を網羅的に解析しました。検証コホートでは、カテーテルアブレーション後に心機能改善を認めたAIC群(10名)は、改善を認めなかったnon-AIC群(6名)と比較して、術前のLTBP4値が有意に高値でした(P=0.047)。LTBP4によるAIC識別能をROC解析で評価したところ、AUCは0.767でした。
<関連情報>
- https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/08/press20260831-03-ltbp4.html
- https://academic.oup.com/europace/advance-article/doi/10.1093/europace/euag224/8767100
潜在性形質転換成長因子β結合タンパク質4は、心房細動における不整脈誘発性心筋症のバイオマーカーとなるか:ハイスループットプロテオミクス解析からの知見
Latent Transforming Growth Factor Beta Binding Protein 4 as a Biomarker of Arrhythmia-Induced Cardiomyopathy in Atrial Fibrillation: Insights from a High-Throughput Proteomic Analysis
Yuhi Hasebe, MD, PhD ,Kotaro Nochioka, MD, PhD, FESC ,Makoto Nakano, MD, PhD ,Takahiko Chiba, MD, PhD ,Hiroyuki Sato, MD, PhD ,Nobuhiko Yamamoto, MD, PhD ,Tomohiro Ito, MD ,Takashi Noda, MD, PhD, FESC ,Koji Kumagai, MD, PhD ,Aika Udagawa, PhD,…
EP Europace Published:20 August 2026
DOI:https://doi.org/10.1093/europace/euag224

