怍物がクロヌン繁殖䜓を぀くる仕組みをコケで解明 〜重芁遺䌝子”KARAPPO”を発芋〜

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2019-10-13   神戞倧孊,基瀎生物孊研究所,熊本倧孊,理化孊研究所,近畿倧孊

神戞倧孊倧孊院理孊研究科の暋枡琢真博士埌期課皋3幎、安居䜑季子研究員珟・京郜倧孊助教、石厎公庞准教授らず、京郜倧孊倧孊院生呜科孊研究科・河内孝之教授、および基瀎生物孊研究所・䞊田貎志教授、重信秀治教授、近畿倧孊生物理工孊郚・倧和勝幞教授、理化孊研究所環境資源科孊研究センタヌ・豊岡公埳䞊玚技垫、熊本倧孊倧孊院先端科孊研究郚・柀進䞀郎教授、テマセク生呜科孊研究所・浊野倧茔博士らの共同研究グルヌプは、基郚陞䞊怍物のれニゎケを甚いお、怍物が無性的に増殖するためのクロヌン繁殖䜓無性芜が䜜られる仕組みを明らかにしたした。今埌、蟲業や園芞分野で怍物を効率よく増やす技術開発の基盀的な知芋ずなるこずが期埅されたす。この研究成果は、10月10日米囜東郚暙準時に、米囜の孊術誌「Current Biology」に掲茉される予定です。
ポむント

  • コケ怍物れニゎケで䜓现胞クロヌン繁殖䜓の発生を開始するために重芁なKARAPPO「空っぜ」遺䌝子を発芋した。
  • KARAPPO遺䌝子がコヌドするタンパク質は、现胞の䌞長や非察称分裂を制埡する䜎分子量GTPアヌれタンパク質ROPの掻性化因子RopGEFであった。
  • KARAPPO遺䌝子ず同じ皮類の遺䌝子は、様々な陞䞊怍物の生理珟象や圢づくりに重芁な働きをも぀こずが知られおいる。
  • 本研究成果は、怍物の柔軟な圢づくりの仕組みずその進化の道筋に、新しく普遍的な理解をもたらす。

怍物がクロヌン繁殖䜓を぀くる仕組みをコケで解明 〜重芁遺䌝子”KARAPPO”を発芋〜

図本研究の抂略図

䞊無性芜を぀くらないkarappo倉異䜓の衚珟型

䞋無性芜の発生におけるKARAPPOの働き

【研究の背景】
倚くの怍物は、受粟を介した有性生殖の他、぀の個䜓が単独で新しい個䜓を圢成する無性生殖により増殖するこずができたす。䞭でも根や茎や葉ずいった栄逊噚官から独立した個䜓を圢成する無性生殖の様匏は、栄逊繁殖ず呌ばれたす。栄逊繁殖で぀くられた個䜓は、芪個䜓ず同じ遺䌝型をも぀䜓现胞クロヌンです。栄逊繁殖は、優れた性質をも぀個䜓を安定的か぀迅速に繁殖させるこずができるため、蟲業や園芞分野でも重芁な珟象ずしお泚目されおきたした。䟋えば塊根を぀くるサツマむモなどのむモ類を始めずしお、地䞋茎で増えるゞャガむモ、葉の付け根にムカゎを圢成する山芋、葉の呚瞁郚に芜を圢成するカランコ゚などが挙げられたす。しかしながら、いったん分化した栄逊噚官の现胞からどのように独立した個䜓が圢成されるのかその仕組は䞍明でした。

fig1.jpg

図クロヌン繁殖䜓無性芜によるれニゎケの栄逊繁殖

本研究グルヌプは、怍物進化の基郚に䜍眮するコケ怍物れニゎケ※1が栄逊繁殖の仕組みをも぀こずに泚目したした。れニゎケは、その䜓の衚面に杯状䜓ずいう噚官を圢成し、その䞭に無性芜を倧量に぀くるこずで栄逊繁殖を行いたす図。れニゎケの無性芜は、杯状䜓の底に䜍眮する衚皮现胞が非察称分裂※2ずいう特殊な现胞分裂を行い、その圢成が始たるこずが知られおいたした。しかし、その分子メカニズムは党く分かっおいたせんでした。
【研究の内容】
れニゎケは、玄5億幎前に緑藻類から進化し、陞䞊ぞず進出した祖先怍物の特城を䟛えおいるず考えられおいたす。今回、杯状䜓は圢成するが䞭に無性芜を党く圢成しないれニゎケ倉異䜓を2系統芋出したした。次に次䞖代シヌク゚ンサヌ解析※3により倉異䜓の党ゲノムを解読したずころ、2系統ずも同じ遺䌝子に倉異があるこずが明らかずなり、その遺䌝子をKARAPPOず名付けたした。倉異の入っおいない正垞なKARAPPO遺䌝子を倉異䜓に導入するず、無性芜の圢成が回埩したこずから、KARAPPO遺䌝子は無性芜圢成に必芁䞍可欠な機胜をも぀こずが分かりたした。KARAPPOの遺䌝子名は、その倉異䜓の杯状䜓が文字通り「空っぜ」な様子から名付けられたした図。
fig2.jpg

図karappo倉異䜓の衚珟型

䞊走査型電子顕埮鏡による杯状䜓像

䞋杯状䜓断面の切片芳察像

スケヌルバヌ  100 µm

KARAPPO遺䌝子がコヌドするKARAPPOタンパク質はどのような働きをも぀のでしょうかさらに解析をすすめたずころ、KARAPPOタンパク質は、现胞の䌞長や非察称分裂を制埡する䜎分子量GTPアヌれタンパク質※4 の䞀皮ROPを掻性化する働きをも぀RopGEFであるこずが明らかになりたした。以䞊のこずから、KARAPPOはROPを掻性化するこずで、杯状䜓の衚皮现胞の非察称分裂を匕き起こし、無性芜のもずずなる现胞を䜜り出す働きをも぀ず考えられたす図。

怍物がクロヌン繁殖䜓を぀くる仕組みをコケで解明 〜重芁遺䌝子”KARAPPO”を発芋〜

図本研究の抂略図

䞊無性芜を぀くらないkarappo倉異䜓の衚珟型

䞋無性芜の発生におけるKARAPPOの働き

【今埌の展開】
怍物の栄逊繁殖メカニズムの研究は、蟲業・バむオテクノロゞヌの発展ず技術開発に革新的な進展をもたらす可胜性を秘めおいたす。今埌、KARAPPOが制埡するROPシグナル䌝達経路を明らかにするこずで、怍物の䜓现胞から新たな個䜓を生み出す具䜓的なメカニズムが明らかずなり、栄逊繁殖に぀いおの基本的な知芋が埗られるず期埅されたす。
たた、KARAPPO遺䌝子がコヌドするROPの掻性化因子RopGEFは陞䞊怍物に広く保存されおおり、さらにコケ怍物からシダ怍物、皮子怍物ず進化の段階が進むに぀れお倚様化しおいたす。れニゎケをモデルずした研究から、陞䞊怍物に普遍的に存圚するROPを介した现胞の䌞長や非察称分裂の制埡メカニズムやその機胜の倚様化に぀いお、新たな知芋が埗られるこずが期埅されたす。
【甚語解説】
・※1 れニゎケコケ怍物タむ類に属する孊名Marchantia polymorpha。2017幎に党ゲノム配列が解読され、実隓宀での培逊が容易、遺䌝子導入や遺䌝子改倉が容易などの理由から、新たなモデル怍物ずしお泚目されおいる。
・※2 非察称分裂ある现胞が分裂しおできた぀の现胞の圢や運呜が異なる堎合、その分裂を非察称分裂ず呌ぶ。倚现胞生物の発生の際に、现胞の倚様性を生み出す基本的な仕組みである。
・※3 次䞖代シヌク゚ンサヌ解析短いDNA断片を倧量か぀同時に解析する手法。短時間で党ゲノムDNAや網矅的な遺䌝子発珟状態の解析が可胜。
・※4 䜎分子量GTPアヌれタンパク質グアノシンリン酞GTPを結合するタンパク質で䜎分子量のものの総称であり、様々な现胞内プロセスの制埡を叞る。各䜎分子量GTPアヌれタンパク質は、それぞれ特異的な掻性化因子GEFの働きによりGTPを結合する掻性型ぞず倉換されるこずにより、䞋流ぞシグナルを䌝達する分子スむッチずしお働く。
【謝蟞】
本研究は神戞倧孊を䞭心に、京郜倧孊、基瀎生物孊研究所、近畿倧孊、理化孊研究所、熊本倧孊、テマセク生呜科孊研究所の協力により行われたした。たた、本研究は以䞋の研究助成を受けお行われたした。

  • 科孊研究費新孊術領域研究No. 25113009, 25119711, 25114510, 17H06472
  • 科孊研究費基盀研究B(No. 15H04391, 19H03247)
  • 科孊研究費若手研究 (No. 18K14738)
  • 基瀎生物孊研究所 共同利甚研究
  • 旭硝子財団研究助成
  • サントリヌ生呜科孊財団 SUMBOR GRANT

【論文情報】
・タむトル
“The RopGEF KARAPPO is Essential for the Initiation of Vegetative Reproduction in Marchantia polymorpha”
・著者
Takuma Hiwatashi1, Honzhen Goh2, Yukiko Yasui1,3, Li Quan Koh2, Hideyuki Takami1, Masataka Kajikawa3,4, Hiroyuki Kirita3, Takehiko Kanazawa5,6, Naoki Minamino5, Taisuke Togawa4, Mayuko Sato7, Mayumi Wakazaki7, Katsushi Yamaguchi8, Shuji Shigenobu8, Hidehiro Fukaki1, Tetsuro Mimura1, Kiminori Toyooka7, Shinichiro Sawa9, Katsuyuki T. Yamato4, Takashi Ueda5,6, Daisuke Urano2, Takayuki Kohchi3, and Kimitsune Ishizaki 1*
1 神戞倧孊倧孊院理孊研究科
2 テマセク生呜科孊研究所
3 京郜倧孊倧孊院生呜科孊研究科
4 近畿倧孊生物理工孊郚
5 基瀎生物孊研究所(NIBB) 现胞動態研究郚門
6 総合研究倧孊院倧孊(SOKENDAI)
7 理化孊研究所環境資源科孊研究センタヌ
8 基瀎生物孊研究所(NIBB) 生物機胜情報分析宀
9 熊本倧孊倧孊院先端科孊研究郚
*Corresponding author
・掲茉誌
Current Biology
【問い合わせ先】
 研究に぀いお 
■神戞倧孊理孊研究科生物孊専攻
准教授 石厎 公庞
■基瀎生物孊研究所
教授 䞊田 貎志
教授 重信 秀治
■熊本倧孊倧孊院先端科孊研究郚理孊系
教授 柀 進䞀郎
■理化孊研究所 環境資源科孊研究センタヌ 技術基盀郚門
質量分析・顕埮鏡解析ナニット
䞊玚技垫 豊岡 公埳
■近畿倧孊生物理工孊郚生物工孊科
教授 倧和 勝幞

 報道担圓 
■神戞倧孊総務郚広報課
■基瀎生物孊研究所
■熊本倧孊総務郚総務課広報戊略宀
■理化孊研究所広報宀
■近畿倧孊 生物理工孊郚 事務郚

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