高分解能で見るアミロイド線維形成 ~アルツハイマー病やALSなどの発症機構理解のための新たな研究手法~

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2021-07-09 京都大学

岩川直都 工学研究科博士課程学生(研究当時)、森本大智 同助教、白川昌宏 同教授、菅瀬謙治 同准教授、Erik Walinda 医学研究科助教の研究グループは、神経変性疾患発症に関わるタンパク質のアミロイド線維化過程を原子分解能という高分解能でモニターすることに世界で初めて成功しました。

アルツハイマー病や筋萎縮性軸索硬化症(ALS)など様々な神経変性疾患はタンパク質のアミロイド線維化により引き起こされると考えられています。アミロイド線維化は複数の状態が存在する複雑な過程であるため、未だ詳細なメカニズムはわかっていません。

本研究では高感度Rheo-NMR法という本研究グループが開発した測定法を用いることにより、アミロイド線維化に伴うタンパク質の立体構造変化を「複数の状態を同時」かつ「残基分解能」という高分解能で解析することに成功しました。

構造変化に関する高分解能の情報は、アミロイド線維化を阻害する治療薬を設計するうえで重要な知見となると考えられ、未だ治療法の限られている神経変性疾患の治療薬開発に大きく貢献することが期待されます。

本研究成果は、2021年7月8日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載されました。

せん断力を加えた状態でNMR測定を行うRheo-NMR法を用いて、SOD1のアミロイド線維化過程を高分解能で詳細に解析することに成功しました。
図:せん断力を加えた状態でNMR測定を行うRheo-NMR法を用いて、SOD1のアミロイド線維化過程を高分解能で詳細に解析することに成功しました。

詳しい研究内容≫

研究者情報
研究者名:森本大智
研究者名:白川昌宏
研究者名:菅瀬謙治

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生物工学一般
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