日本海若狭湾から新種スナモグリ類の発見~実験所すぐそばの海底から太平洋初記録の属~

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2022-09-09 京都大学

邉見由美 フィールド科学教育研究センター助教と伊谷行 高知大学教授、大澤正幸 島根大学客員研究員、駒井智幸 中央博物館研究科長との共同研究グループは、京都大学舞鶴水産実験所から目と鼻の先に位置する若狭湾の浅い海底から未記載の甲殻類を発見し、新種「ワカサスナモグリCallianassa ogurai」として記載しました。種小名oguraiは、調査にご尽力いただいた舞鶴水産実験所の小倉良仁船長に献名しています。

スナモグリ類は、海底に巣穴を作って住んでいることから、通常行われる底引き網の調査では採集が難しく、採泥器の利用が今回の新種発見をもたらしました。このことは、巣穴を構築する甲殻類にはまだ身近に未記載種がいる可能性を示しています。また本種は、太平洋域から初めて得られたCallianassaに属する種であり、本属が分布する地理的範囲をペルシャ湾から日本まで、7,000 km以上、大幅に東方へ拡大することとなったことも、生物地理学的に重要な発見です。

本研究成果は、2022年9月8日に、国際学術誌「Zootaxa」にオンライン掲載されました。

日本海若狭湾から新種スナモグリ類の発見~実験所すぐそばの海底から太平洋初記録の属~
新種として記載した「ワカサスナモグリ Callianassa ogurai」(撮影:邉見由美)

研究者のコメント

「生物相が貧弱とされる日本海ですが、採泥器で掘りおこしてみれば、そこに潜む素敵な生き物たちがいることが分かりました。今回は若狭湾の中でも、水産実験所の目の前の比較的浅い海底からの発見です。若狭湾からはまだまだ興味深い生物が見つかっているので、どんどん報告していきたいです。」(邉見由美)

詳しい研究内容>

研究者情報
研究者名:邉見 由美

生物化学工学
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