微生物の生態系を設計する基幹技術を開発~生態系レベルの機能を農業・医療・工業に~

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2020-06-26 京都大学

 東樹宏和 生態学研究センター准教授らの研究グループは、生態系全体の生物機能を最大化・安定化する可能性の高い微生物(「機能コア微生物」)を見つけ出す手法を考案しました。さらに、こうした微生物の組み合わせを最適化し、生態系という高次レベルで生物システムを最適化する基幹技術を開発しました。

 微生物は多様な生物機能を私たちにもたらしてくれます。農業において植物の生育を促進したり、ヒト体内で健康を制御したり、醸造・食品加工や水質浄化に寄与したりと、健康で豊かな生活には、多様な微生物たちが不可欠です。しかし、数百・数千もの種で成り立つことが多い微生物の生態系は、制御が極めて難しい研究対象とされてきました。

 本研究では、生物ゲノムや生物種間の複雑な関係性ネットワークに関する情報を統合し、微生物の生態系全体の機能を最大化する技術を考案しました。さらに、中核となる微生物種を生態系に優先的に埋め込むことで、生物機能を制御する手法を示しました。

 この成果は、「1種の生物をいかに改良しても到底得られない次元の機能」を生態系という高次レベルで実現する新領域を切り拓くもので、農業・医療・工業の幅広い分野における展開が期待されます。

 本研究成果は、2020年6月25日に、国際学術誌「Frontiers in Microbiology」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容

細胞遺伝子工学生物化学工学生物環境工学
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