おきなわ津梁ネットワークに線量管理機能追加へ~安心で安全な放射線診断の提供に向けて~

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2024-04-08 量子科学技術研究開発機構

発表のポイント

  • 沖縄県の診療情報をまとめて管理する「おきなわ津梁ネットワーク」に放射線診断時の線量情報を管理する機能を追加しました。
  • 本機能は量子科学技術研究開発機構が開発した患者の線量を評価するツールとの連携で実現しました。
  • 登録された線量情報は安全にまとめて管理し、今後の安心な放射線診断に役立てます。

概要

沖縄県医師会(会長 安里哲好)と量子科学技術研究開発機構(理事長 小安重夫、以下「QST」)は、県内の診療情報をまとめて管理することができる「おきなわ津梁ネットワーク」とQSTが開発した放射線診断時の患者の線量評価ツールDoseQUEST※との連携を行い、放射線診断時の線量情報を管理できる機能を追加しました。
近年、国際的に医療放射線の利用の実態把握や照射線量と患者の被ばく線量の管理などの関心が高まっており、我が国においても放射線診断時の線量の目安である診断参考レベルが発表されるなど、各医療施設による放射線診断の線量の管理と最適化が求められています。2020年には医療被ばく規制を含む医療法施行規則の一部を改正する省令が施行され、個々の医療施設においてCTなどの撮影条件の管理および記録の義務化が行われました。このような線量情報の記録と管理が全ての施設において行われるようになると個々の患者の線量の把握も可能となると期待されています。
これまで沖縄県医師会では県内の参加施設内で登録された患者について診療に必要な情報をまとめて管理することができるシステム「おきなわ津梁ネットワーク」を構築してきました。このシステムを利用することで、診療・検査等から得られたデータを基に、登録患者の皆さまに適した治療法や予防対策を検討することができ、質の高い安全な医療の提供を可能にしてきました。この度、「おきなわ津梁ネットワーク」とQSTが開発した放射線診断時の患者の線量評価ツールDoseQUESTとの連携試験に成功しました。今後、DoseQUESTとの連携によって、これまでの診療情報に加えて、放射線診断時の患者の線量情報についてもまとめて管理することができるようになります。患者の線量情報をまとめて管理することで、県内の患者の線量の実態把握が行えるだけでなく、施設間の撮影線量の差を小さくし、過度な線量での撮影を低減させるなどの取り組みを行っていくことができ、登録患者の皆さまにさらに安心で安全な放射線診断の提供を可能にします。

※DoseQUESTについて
DoseQUESTはQSTが開発した放射線診断時の撮影条件など線量情報を収集・管理することができるツールであり、特にCT撮影においては患者の線量を評価することできます。QSTでは全国の協力医療施設のCT撮影の線量情報を収集・解析し、放射線診断時の線量の実態把握のための調査を行っており、DoseQUESTは全国の16の協力医療施設への設置実績があります。

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