ショウジョウバエ原腸胚における1細胞遺伝子発現アトラスを作成 ~ゲノム情報による発生制御の解明に向けた基盤的リソース~

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2023-07-11 京都大学

近藤武史 生命科学研究科特定講師 (現:理化学研究所チームリーダー)、坂口峻太 同博士課程学生(日本学術振興会特別研究員DC1、現:同研究員)らの研究グループは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)原腸胚を構成する各細胞における全遺伝子の発現を定量解析し、高解像度の空間情報を含む1細胞遺伝子発現アトラスを構築しました。

動物のゲノムには数万の遺伝子がコードされています。そして、この数万の遺伝子が複雑に絡み合いながら協調して働くことによって、複雑な発生現象が正確に進行すると考えられます。しかし、遺伝子が時空間的に協調して発生を制御する仕組み・ルールの理解には未だ至っていません。その理由の一つとして、発生中の胚における細胞単位での定量的な遺伝子発現情報が不足していることが挙げられます。

キイロショウジョウバエ原腸胚はまさに細胞分化とダイナミックな形態形成が進行している発生段階であり、本研究で構築した1細胞遺伝子発現アトラスは、ゲノム情報による発生制御の仕組みのさらなる理解へと貢献することが期待されます。

本研究成果は、2023年7月10日に、国際学術誌「Cell Reports」に掲載されました。

ショウジョウバエ原腸胚における1細胞遺伝子発現アトラスを作成 ~ゲノム情報による発生制御の解明に向けた基盤的リソース~

研究者のコメント
「一つの受精卵から生物の身体が作られる実に驚くべき過程は、自然が生み出した巧妙な仕組みによって制御されています。その仕組みを解き明かしていくのはとても心躍る試みです。本成果はそんな研究の基盤となるものであり、今後、本成果を利用した研究が新たな知見をもたらしてくれることに期待しています。」(坂口峻太)

詳しい研究内容について
ショウジョウバエ原腸胚における1細胞遺伝子発現アトラスを作成 ―ゲノム情報による発生制御の解明に向けた基盤的リソース―

細胞遺伝子工学
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